2006年01月17日

ワガママごはん

今週発売の「オレンジページ」の広告が新聞に載っており、そこに「ワガママごはん」という大きな文字がありました。
コウさんが教えます!
男が食べたい
ワガママごはん
(「オレンジページ」2006.02.02広告「朝日新聞」2006.01.17 p.12)
私は最近、この「わがまま」ということばに注目しています。これまで「わがまま」といえば、「なんてわがままな子どもだ」とか、「わがままを言ってはいけない」とかいうように、否定的な語感をこめて使うことが多かっただろうと思います。「私のわがままを聞いていただいてありがとうございます」とは言っても、「あなたのわがままを聞いてさしあげましょう」とは言わなかったはずです。そんなことを言えば相手は怒り出すでしょう。

ところが、最近は、肯定的な語感をこめて「わがまま」を使う場合があります。この雑誌の広告にある「ワガママごはん」というのは、「自分の流儀で作る(食べる?)ご飯」ということでしょう。これはよい意味で使っています。

もっとも、手元には、このように肯定的な語感の「わがまま」の例は、これまで1例もありませんでした(これは私の怠慢のせい)。インターネットでは、「とってもわがままなあなたのために」などという、失礼きわまりないとも言える例を見つけています。しかし、マスメディアで使っている例としては、きょう見た広告が、貴重な第1例目ということになります。

「オレンジページ」の最新号を買って読めば、もう少し例が拾えるかもしれません。買ってみようかどうしようか、迷うところです。

同じような事情で注目していることばとして、「欲張り」があります。「欲張り」は、どう考えても肯定的なことばではないと思っていました。ところが、女優のミムラさんがコマーシャルで、
女はけっこう欲張りなのよ。
(富士通「FOMA F700i」CM テレビ朝日 2005.04.25 23:00ごろ)
と使っています。これは、べつに謙遜しているわけではないでしょう。それどころか、なんだか得意げに言っています。

このことばが相手に対して使われることもあります。
もうふつうのクリスマスでは満足できない、そんな欲張りなあなた。「ものしり一夜づけ」が、ちょっぴり知的な香りが漂う、大人のクリスマスをお届けします。
(NHK「ものしり一夜づけ」番組宣伝 2004.12.14 19:56)
「私が欲張りだと? けんかを売ってるのか?」と色めき立つのは間違いです。それどころか、話し手は好意に満ちているのです。

何気なく使ったことばが、無用のいさかいを招かないように、注意が必要です。
posted by Yeemar at 20:39| Comment(0) | TrackBack(2) | 語彙一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「わがまま」論2/なかない粉糖
Excerpt: こちらに続編を書きました。
Weblog: きょうのことばメモ
Tracked: 2006-01-27 23:39

かしこい・がっちり
Excerpt: こちらにも関連記事を書きました。
Weblog: きょうのことばメモ
Tracked: 2006-03-27 22:07
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